あたら若い命を散らして、奴は死んだ。
嗚呼、壊れてしまえと願ったのは私だ。苦しめるだけに生まれたならば、細い糸が食い込むように、私と、更には彼女まで痛めつけるというならば。
望まれず、期せず生まれた奴は、私が呪い、恨み殺した。そうする以外にどうして責任を取ろうというのか。奴を生んだのは私で、切欠が彼女にあろうとも責任の所在は私にある。奴は死なねばならなかった。私が殺さねばならなかった。
十月十日を待たずに生まれた奴は、十月十日を数えず死んだ。
未練など無い、未練など無い。
後に残るのがそれというのなら、糸の切り傷、かさぶたがはがれる頃には消えるだろう。
諸恋にならぬ片恋は、形おぼろのままに去ね。
あたら若い恋は、私の中で、死んだ。